「高齢者ケアビジネスの国際展開を考えるプラットフォーム in 東京」 by みずほ情報総研
2月17日(金)平成28年度厚生労働省事業「高齢者ケアビジネスの国際展開を考えるプラットフォーム会合 in東京」がみずほ情報総研により開催され、既に中国へ展開している法人や事情に詳しい大勢の方々の前で、講師として僭越ながら本邦初公開の「上海版介護保険制度について」情報を提供しました。
その後の「トークセッション」中のパネリストを務めたり、多くの方々と名刺交換し、意見交換など、有意義な時間を過ごすことができました。
そのほかの登壇者の講演の貴重な見解や、実例などは大変ひらめきを覚えました。時間の制限がなかったら、熱い議論がいつまでも続きそうでした。キーワードは、スピード、現地化、パートナー、リバースイノベーションなどなど・・・・・・
トークセッションの一部抜粋
<ファシリテーター>
田中 克幸 中国建築上海設計研究院有限公司 顧問
<パネリスト>
王 青 日中福祉プランニング 代表
亀野 敏志 日進医療器株式会社 商品企画室 室長
中元 秀昭 株式会社さくらコミュニティサービス 代表取締役
松山 英樹 株式会社ゲストハウス 代表取締役
田中 文隆 みずほ情報総研株式会社 チーフコンサルタント
ファシリテーター:
- トークセッションにおいて、パネリストの方々のこれまでの経験に基づく知見を皆で共有していきたい。
- 全員に共通する質問として、過去の経験を振り返り、高齢者ケアビジネスの国際展開に関するマクロ的な見地で3点伺う。1点目として、海外展開を振り返り、変化の早い市場においてぶれなかったコアの取組、想定した事業プランと現在の経過や結果とに違いやズレについて伺いたい。
王 青
- 当初よりこだわり続けてきたのは、現場主義である。現場の実態に基づき、高齢者や地元の経営者が実際に何を必要としているのか。日本式の介護サービスは現地で本当に通用するのか。私が現地の生活習慣に基づき、現地の考えをもとに海外事業の可能性を考察した結果は、ほぼ目論見通りとなっている。
ファシリテーター:
- 進出当初と比べ、高齢者、家族のニーズも含めて進出先の市場環境はどのように変化したか。
- 上海で介護保険制度の試行が始まったが、上海政府はどのような成果をもってうまくいったと捉えるのだろうか。
王 青
- 頻繁に上海を訪問するが、変化の速さを実感している。ハード、ソフト共に徐々に充実してきている。また、皆非常にノウハウや情報を求めており、海外の専門家が講演する介護関係のシンポジウムが多数開催され、満席状態となっている。高齢者自身も生活レベルが高くなるにつれ、健康志向が高まっている。
- 中国の視察団体によると、ひととおり各国を見てまわった結果、日本が一番良いという声も多い。上海では欧米の生活スタイルを好む傾向が強く、ハードは欧米のものが多いが、ソフトに関しては、日本のきめ細やかなサービスに対する評価が高い。
- 介護保険は、まだ試行段階であり、地域も限定されている。まず制度を作らなければならないと考えている。制度を作って実施するプロセスのなかで、課題を検討し見直していくとしか語ることはできないだろう。サービスの質や量よりも持続させることを最も重要な検証ポイントに据えており、だからこそ日本の介護保険のこれまでの過程や今後の行方に着目しているようだ。今後も継続的に情報提供していきたい。
(以上)