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ソウルの福祉視察ーートヨタ財団「アジア高齢化と周辺課題~実践現場の対応を共有する」

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先月末今月初め、トヨタ財団、ウォルゲ総合社会福祉館共催の「アジア高齢化と周辺課題~実践現場の対応を共有する」ソウル視察&シンポジウムに参加しました。

シンガポール、タイ、ベトナム、韓国、中国、日本から大学の研究者や、現場の実践者などがメンバーとなっています。

連日は、見学・ワークショップ・公開シンポジウムなどで、目まぐるしい時が過ぎてゆきました。地元の皆さんとの交流や、参加国のメンバーの自国の高齢化社会現状や、取り込みの発表などにより、発見と勉強になったことが多いのですが、アジアの国々に置かれている状況や課題がこんなに似ているとの驚きもありました。

 

 

韓国では地域福祉の担い手としての「総合社会福祉館」が全国に466か所があります。今回訪問したのが、最も運営が成功していてモデルとされる「ウオルゲ総合社会福祉館」。低取得者が多い、人口の10%が高齢者という地域ですが、高齢者を助ける事業の一環であり「美しい隣人」事業が注目され、今は全国に広がりつつであります。

つまり、地域の商店街のお店が住民のニーズに合わせたモノやサービスを提供(寄付)し、それらを受けた住民が地域やお店のために様々な活動に参加するという形で返します。

例えば、一軒のレストランは一日3名に無料で食事を提供、診療所は一日3名に無料診察。

利用した高齢者は商店の広報活動、地域のボランティア活動に参加という流れ、また、福祉館の運営のもとで、寄付してくれたお店を高齢者が利用するようにします。この事業に参加するお店の玄関口に、下記写真のように黄色い参加証が貼ってあります。

コミュニティの資源を最大限に活用する助け合い、人間が一番必要とする「食」に着目するなど、これは地域福祉の原点であるかもしれないです。コミュニティの力がここで発揮しているように思います。

 

しかし、見学したウオルゲ地域は、貧困層が多いといって、低取得者に月額わずかの料金で国が貸している約30平米のマンションは、高層でエレベーターがついていて、一人暮らしだと十分な空間には驚きました。対照的に、中国の上海市では1970年代〜80年代が建てた多くの6階建てのマンションは、エレベーターなし、住民が高齢化し「外出難民」となっています。そして上海のような大都会では町の開発で、昔の生活様式が大きく変わり、隣人が誰だってわからない時代となっているため、そして昔と違って、人間関係が非常に薄くなってきているこの時代に、コミュニティの機能はどこまで働くのかは、大きな課題が残っています。


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