「2021年はどんな一年だったのか」振り返ってみる
2021年は、2020年に続きリアルでは日本に閉じ込められた一年となりました。新型コロナウイルスがここまで長引くとは、多分誰も予想しなかったでしょう。この2年間、社会や人々の生活様式や行動に大きな変化をもたらしました。
当方としては、2019年までのあれほどの激務ぶりから、今は状況が一変し、時間に追われることがそれほどなく、マイペースでやりたいことを進められるようになりました。インターネットのおかげで、現地に足を運ばなくても、タイムリーな情報を得られるし、スクリーン越しの交流もでき、とくに「不自由」を感じない日々でした。
ただ、時が経つのがこれまでになく速いと感じておりました。あっという間に過ぎてしまった2021年は、どんな一年だったのか、振り返ってみたいと思います。
・オンラインでの日中交流イベントの開催が定着し好調
今年は、2020年に立ち上げた「(日本初の)日中介護ビジネス交流プラットフォーム」をさらに進化させました。今年からは中国のネットメディア「阿沐養老」と連携することとなりました。「阿沐養老」は、高齢者問題と介護を専門とするネットメディアであり、政策や国内外の最新情報などをいち早く発信し、同類の介護分野のメディアにおいて最大の会員数とアクセス数を持つメディアです。そのため、これまでは主に日本の企業を対象にしていたイベントは、今年から中国の参加により一気に参加者が増えて、毎回100名以上の規模となりました。
今年は4回を開催しました。記録するためにも、下記にまとめました。
1.「日本&中国の認知症ケア最前線〜現場からのレポート〜」(開催日 2021年4月7日)
開催レポート:https://wp.me/p7a3dx-1BX
(関連記事)「中国の介護業界で「日本の映画」が大絶賛され、参考にされている理由」
https://diamond.jp/articles/-/267079
2.「食べる力は生きる力〜日本&中国の高齢者の“食”を考える〜」(開催日 2021年7月15)
開催レポート:https://wp.me/p7a3dx-1F4
(関連記事)「日中高齢者の“食”」に見る考え方の違い、中国の介護施設入居者が“ぽっちゃり”なワケ」https://diamond.jp/articles/-/276668
3. 「最期まで自分らしく〜人生の最終楽章をどう奏でるか〜」 (開催日 2021年11月4日)
開催レポート:https://wp.me/p7a3dx-1Gj
(関連記事)「映画『おくりびと』が、中国で今さら大ヒットしている意外な理由」https://diamond.jp/articles/-/288528
4. 「日本の生活リハビリ〜自分らしく生きるとは〜」(開催日 2021年12月29日)
開催レポート:https://wp.me/p7a3dx-1Gp
セミナーを開催して思ったことは、ITが発達し情報の収集が簡単にできる世の中ですが、人との対面の交流や生の声を聴くことがかけがえのないことであることです。なぜなら、毎回のセミナーの最後の質疑応答や討論の時に、参加者たちと講師、参加者同士の連動に熱いものを感じます。時空を超えて、遠く彼方にいる人達と想いを共有し、まるでリアル会場にいるかのように熱い空間となったからです。「オンラインでもこんなに熱くなるのか?」と不思議に思う場面が多くありました。こういった現象を、中国側の連携先が、「コロナで、一年以上も日本に行けず、見学もできないため、日本の介護の最新動向や情報に飢えている状況である」と説明されました。なるほど。コロナが人々の往来を遮断できても、人々の学ぶ気持ちを断ち切ることはできないと思った次第でした。
・オンラインより、日中の関連企業の市場調査・勉強会・講演会、マスコミ取材の依頼が増えたこと
コロナで現地に行けないが、日本企業にとって中国は無視できない巨大な市場であることには変わりがないです。そのため、様々な研究や市場調査がオンラインにより有識者に頼らざるをえない状況となりました。とくに大手企業が将来の事業ビジョンを描くためには、こうした活動を停滞させることなく、情報収集に力を入れています。おかげさまで、当方が持っている強い面として、情報と見解を皆さんにお役に立つことができて、とても有意義かつ光栄なことです。これらの企業の名前は、それぞれの企業内の規定があるため伏せますが、いずれも世界に名を馳せる日本を代表する会社です。
そして、今年の一番大きな人数に向けての講演は、SPEEDA(思必達)の主催により、日中参加の「China Biz Summit 2021ーー中国ビジネスの“今”と“5年後”を読み解く」でした。約1600名の参加者に「中国の高齢者市場の現状および最新動向」をタイトルに、コロナ禍での中国の介護市場の新たな変化や今後の見通しを解説いたしました。このような機会をくださった主催者に感謝します。
イベントURL:http://ub-speeda.cn/…/20210721/summerbizsummit2021.html
そして、日本の新聞やテレビの取材が増えて、活字になったり、テレビの出演も果たしました。これらは、本業の高齢者と介護の問題を含め中国における様々な社会現象を解説しました。このような問題は、日本にとっても他人ごとではないと考えます。中国を参考に日中の協力で解決できる問題も少なくありません。
・日本と中国のコロナ対策を比較して、将来はウィズコロナの社会になると確信した一年
中国政府は「ゼロコロナ」を目指し徹底しているため、一人の感染者でもでれば、「街おこし」のように、1000万人以上の規模の都市でも、全員PCR検査を実施します。また、感染者が出た地域に限らず、その周辺となる地域まで広範囲でロックダウンする。そのため、莫大なコストが伴うだけではなく、PCR検査で人が密集し「二次感染」となったケースも度々ありました。そして、持病のある患者や急病の人など、治療を受けられず症状が悪化し亡くなる人もiました。つまり「二次災害」を起こしました。また、ロックダウンにより経済活動が停滞し、「食料がない、交通が止まった。病院は閉鎖、仕事を失った」など、市民の日常生活を直撃する結果に。人々が受けた影響は枚挙にいとまがありません。何よりも、これだけの厳しい対策を行っても、今年の夏からデルタ株が猛威を振るい始め、いまだにあちこちで感染者が出て、実際、火を消しきれない現状です。
一方、日本はワクチンの接種やマスク、手洗い、密集しないなどの対応と国民の自粛で、コロナを完全に抑え込めなくても、市民の生活に特に大きな制限がないです。昨年、何度も「緊急事態宣言」が発令されても、中国のように一度も自宅に閉じ込められることがありませんでした。このように、「ゼロコロナ」は莫大な犠牲を払っているにも関わらず効果が少ないことに対して、「ウィズコロナ」のほうが、これから世界の流れであるのではと確信しつつあります。
最後となりましたが、今年も相変わらず、たくさんの方々からご協力いただき、支えていただいたからこそ、無事に且つ有意義に過ごすことができました。本当にありがとうございました!
来年も、引き続き、ご支援をいただきますよう、宜しくお願い申し上げます。