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「日中介護交流オンラインセミナーVol.2」開催レポート

昨日(7月30日)に、【日中介護交流オンラインセミナーVol.2】を開催いたしました。
定員通りの参加者となり、中国に在住する日本の方や、
福岡、大阪、名古屋など、全国からの方々が参加されました。
オンラインであるにも関わらず、講師と参加者、
そして、参加者の間の一体感がたっぷりのセミナーとなりました。
また、質疑応答の時間では、次から次への質問が出て、
最後には時間が足りませんでした…

今回は、下記のプログラムでセミナーを進めました。

今回は、中国の高齢者問題で上海の著名な専門家殷志剛先生にご出演いただきました。
中国で高齢者人口率がもっとも高い上海市の高齢者政策とその政策の実施状況を
紹介していただきました。

殷先生は、「中国の高齢社会問題のコメンテーターとして、
露出度NO.1」と言われ、中国の介護業界ではその名を知らない人がいないほど、
長年にわたり、上海市民政局所属の「上海市高齢科学研究センター」のトップ責任者として、
高齢者問題を研究し、上海市の様々な高齢者政策立案に携わった方です。

講演の中で、上海市は、中国全国に先行する「認知症にフレンドリーなコミュニティの建設」や、今年新設した全国初の高齢者の「保護者指定制度」
(保護者の役割は、一部日本でいう後見人に近い)、
そして、上海版介護保険の仕組み・内容・運営状況・利用者数や、
また、介護分野でもITイノベーションの運用、などなど、
貴重でかつ最新の情報がたくさん詰まっていました。
上海は、どんどん進化していくと実感しました。
改めて、高齢者政策と運営実績など、常に中国全土のモデルであり、
先行するトップランナー的な存在である上海を知ることなくして
中国の介護を語ることはできないことが証明されたと考えます。

その後、参加者からは、
「中国の50代で退職された女性たちの活用はどうされていますか?」

「上海の在宅改修の状況、とりわけ古い住宅にエレベーターをつける動きがあるようで、
その状況を教えてください」

「中国も介護人材が深刻に不足と聞いているので、
海外から介護人材を導入されていますか?」
などなどの質問がありました。

続けて、ニッセイ基礎研究所の研究員片山ゆきさんにより,
中国の社会保障制度についての解説、
そして、急速に進展する社会のデジタル化が社会保険制度の問題解決にも
役割を果たしていると紹介していただきました。

中国の社会保障制度については、
これまで、日本の皆さんから「整備されていない」、
「よく分からない」との声を良く聞きます。
なので、今回は、その社会保険制度を人口、財政、
社会保障の経費といったマクロの切り口から、
全体像をつかむことができました。
その中で、驚いたのは、中国各地の医療保険などの給付条件や
自己負担率がバラバラということ、
経済の格差がここでも反映されています。

まだデジタル化が保険制度にも大きな存在感が示されていることを
解説していただきました。
アリババやテンセントなどのIT関連の会社が近年、
積極的に保険業に参入し、福祉分野のサービス提供が始まっています。

2時間予定のセミナーは、詰まった内容であっという間に終わりました。
その後、参加者から続々と好評の声をいただき、大変励みとなりました。

その中の一通のメールを下記より紹介します。

「今回も密度の濃いセミナーを有り難うございました!
上海での高齢者医療政策の最新状況が分かり、
今後生活の中で具体的な発見や理解を深めて行けたらと思います。
医療保険では、テンセント等民間企業が福祉サービスを担う割合も多いと言うのは新たな発見でした。
日本との違いも分かり易かったです。
今後中国全土で地域のサービスが充実して行くと良いなと思います。

9月の民間企業経営者の方のお話も楽しみにしております。
今後ともよろしくお願い致します」

(臼井いずみ 設計コンサルティング)

セミナーに参加された皆様、本当にありがとうございました。
引き続き、今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。(おわり)

 

【お知らせ】:
オンラインセミナーは、8月はお休みさせていただきます。
9月の中旬ごろに復活します。
9月は中国でもっとも成功する民間介護施設の経営者(女性)に
出演していただく予定となっており、
中国の競争の激しい介護市場での、
その高入居率と低離職率の秘訣を探ります。
詳細は、またご案内させていただきます。

ぜひご参加ください!

 


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