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「日中介護交流プラットフォームセミナーVol.3」開催レポート

昨日(9月29日)「日中介護交流プラットフォームセミナーVol.3」を開催しました。

今回も皆様のご協力で、予定通りの定員数の参加となりました。
開始1分前に駆けつけて申し込んでいただいた方もいらっしゃいました(笑)。
中国に拠点を置かれている日本企業や中国地元の会社と日本各地からの参加でした。

「一人っ子政策」などの影響もあり、
日本を超えるスピードで少子高齢化が進んでいる中国。
大都市部では介護保険制度がスタート、
高齢者介護の仕組みも急ピッチで整えられつつあります。

そんな中国の介護業界で一躍脚光を浴びる介護事業グループ「紅日」の
女性社長(董事長)陳琦さんにご出演いただきました。
「紅日」は、民間事業者としては異例のスピードで事業規模を拡大し、
中国でもっとも成功している民間介護グループです。
ここの経営者は、「スタッフが第一、次に入居者さん」と憚ることなく公言します。

中国は、巨大な介護市場ではありますが、競争も激しいです。
どう勝ち取るかは、まさに、セミナーで陳琦さんが強調された「人」というキーワード、
つまり「現場のスタッフ」の力量が直接影響されます。
スタッフに対してどう接するのか、それが「因果関係」となり、
「低離職率、高入居率」に深く関わってきます。

とにかく、
「現場スタッフに良いサービスを提供できてから、はじめて入居者さんに良いサービスができる」、「スタッフが幸せであれば、入居者さんも幸せになれる」…
この経営思想を貫いて、スタッフに「衣、食、住、用、行」を無料提供のほか、
中国初のスタッフへの福利厚生の細かい項目と基準を作りました(実にこれは驚きました!)
中国企業の急成長は、政府系融資と市場独占に支えられたものが多いですが、
「上海紅日養老グループ」の成長を支えるのは、
競争力のある介護サービスと、それを支える組織運営の力。
日本でトップレベルの認知症ケアを提供する社会福祉法人と連携し、
自立支援と尊厳を意識したケアを提供、
入居者確保に苦戦する同業他社を引き離す、
半年で稼働率100%に。
同時に働く人を大切にする経営で年間離職率がわずか1%という安定した組織運営を実現しています。
職員の教育研修にも力を入れ、中核人材も着々と育っています、
(現在中核以上の幹部の9割が一から育てたと言います)。

そして、彼らがまた新しい拠点を開設し・・という好循環で、
上海を基盤にしながら、長江デジタル地域に介護施設を次々と展開しています。

 

そのような中国の高齢者介護のフィールドは、
日本企業にとっても巨大なマーケットであるはずですが、
その多くは、厳しい戦いを強いられています。
そこには外資だから、というだけではない理由があります。

今回のセミナーのもう一人のゲスト、
日本のヘルスケア・介護企業の海外進出を支援してきた
「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社」の細見真司さんは、
6年間連続で中国の各地の介護施設を見て来られまして、
日本企業の成功事例・失敗事例をも多く見てきています。

セミナーでは、そこにどのような共通点があるのか、
中国で「日式介護」は通用するのか、
中国介護マーケットに向けたビジネス展開の在り方について、
これまでの日系企業の教訓を踏まえ、
現地制度の活用や現地のパートナーとの関係など、
進出に際しての注意点がほぼ網羅されていました。
参加者にとっては大変示唆に富んだ解説でした。

今回も、2時間があっという間に過ぎてしまいました。
その後、参加者から続々とご感想やご意見をいただき、
参加者の会社の事業の相談や面談などのご依頼も早速されました。
私どもにとっては大変な励ましとなり、今後にも繋ぐことができました。

今回のセミナーの開催にあたって、各方面からのご協力、ご支援に対し、
心より感謝申し上げます。

本当にありがとうございました!

 

*予告

次回のセミナーは、 日中共通の課題である介護人材不足を乗り越えるため、
日中の介護人材育成にかかわる教育の第一線で活躍する専門家に出演していただきます。
介護人材の育成や確保について、
中国だけではなく、東南アジアの国々に共通する問題点を突き止め、
その対応策をディスカッションします。

 


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