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「中国の福祉・医療」医療現場――日本と中国の違い (2)カルテの扱い方

中国の病院は、日本との一番大きな違いは、カルテの扱い方だ。

中国の場合、カルテは患者が持っている、保管するもの。受診する病院により発行される。複数の病院で診察受けるなら、病院ごとに一冊のカルテを所有する。もちろん、病院で受診するとき、違う病院のカルテを医者に参考してもらうため、見せることができる。カルテ以外に、採血検査結果や、超音波、CTフィルムなども持ち帰ることで、手元に保管する。だから中国の場合、セカンドオピニオンどころか、いくらでも別の病院で医者の見解を聞ける。そしてコネ社会ということで、難病にかかった場合、知り合いの紹介などを通じて、違う病院の専門家に見てもらうことが一般的なことで、そこから自分にとって一番納得の治療法を選べる。とにかく、病院や医者、治療方法などを選ぶために、日本のように紹介状がなくても、自由に病院を変えることができる。もちろん、大きな病院の場合、今は、すべて電子カルテシステムを使っていて、患者の記録は保管されている。

(下記の写真は、私が日本から上海に出張した時風邪を引いて、病院に駆け込んた時のカルテ)

このことは、現在日本の情況と比べると、かなり患者中心で、進んでいるように思う。日本の場合、患者さんが主治医に気を使って、ほかの病院へ行くのが遠慮がちのようだが、時々自分の命に関わることだから、自分で判断したいと言いたくなることもある。中国のようなカルテの扱い方は、病院間や医者の間での良い意味での緊張感に繋がっていて、医者がワンマンのような振る舞いができない。これと比べると、日本のシステムはやや硬直的である印象があると対照的で、中国人の個人主義的な伝統観念の反映といえる好例でしょう。

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