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中国向け「日本の生活リハビリ」公開講座の実施報告

 

 

12月29日。日本はもうお正月ムードで、みんなお休みに入り、帰省やお掃除で忙しい時期です。
19:00より約2時間、中国の介護事業者向けのオンラインイベントを企画・開催しました。

「日中介護ビジネス交流プラットフォーム」の交流事業として、今年の最後のイベントとなりました。
今回は、日本の「生活リハビリ」について、日本の専門家からの発信でした。

オンライン講座には中国各地に本拠を置く全国的な大手の介護事業者が多数参加されました。

 

なぜ、「生活リハビリ」を話す必要があるのか。
それは、現在、中国の「良い介護サービス」についての考え方が日本と大きく異なっているからです。

中国では一般的に、介護施設では入居者に対して「何もかもやってあげる」のが、「良いサービス」とされています。「お年寄りが介護施設に入居したら、何もしなくていい、やってもらうのが当たり前。楽にして過ごすというのが老後の幸せ」。同じく在宅の場合も、「老いた親にいろいろやってあげる、面倒なことをさせないのが、親孝行だ」などの考え方があります。

一方、日本では、「過介助にならないため、本人の残る機能を十分に引きだし、本人の意向や選択を尊重し、できることを自身の力で完成させ、達成感を味わえ、結果、自己満足や生きる喜びに繋がる」、「『介護=お世話』ではなく、『介護=最後まで自分らしく生きる』」といったことの実現につながるという理念があります。

実際、これまで、中国の介護事業者が来日して、日本の介護施設を見学した際、入居者が自分で考えて行動をとる場面を見て共感し、感動する人が多かったです。そして、帰国されてから、日本と同じような取り組みを始めた事業者も少なくないです。

コロナで日中の対面での交流ができなくなった今日。ネットを通じて、日本の介護理念や相互触発などの場を提供すべく、昨年始まった「(日本初)の日中介護ビジネス交流プラットフォーム」の第9回のセミナーとして「生活リハビリ」をテーマとして開催に至った次第です。

今回の講師は、株式会社津久井のリハビリリーダーである林悠太さんです。

講座は、下記のような内容で進行しました。

・生活リハビリとは何か?
・生活リハビリを導入するための知識と技能
・生活リハビリと生活環境の関係
・生活リハビリの成功例 etc.

 

講義中、参加者がチャート欄に、感想を書いたりして、講師との連動感がありました。

例えば、入居者がベッドから起きる時に、スタッフがすぐ体を起こす手伝いをしないで、まず本人自身の力でやってもらう動画を流されたら、チャート欄に

「自分だったら、絶対に手を出しているな…。なるほど、すごく勉強になりました」などの書き込みが散見されました。

また、「入居者本人にとって、ベストな日常の過ごし方とはなにか?何もかもやってあげるのではなく、本人が何をしたいのかを耳を傾けなければならない、そして、その願いをかなえてあげるのがわれわれの仕事だと、勉強になりました!」などの感想が多数寄せられました。

そして、質疑応答の時間で、いつものようにたくさんの質問があり、いつものような熱い議論と一体感がありました。例えば、
「病院のリハビリと施設のリハビリの違いは何でしょうか?」
「日本では、ADL評価システムはどういうものを使っていますか?」
「生活リハビリを実施する時に、家族の了解は必要ですか?どう家族に理解してもらうのですか?」・・・

年末であるにも関わらず、講座に沢山の人が参加され、そして、真剣に学ぶ。このような向学心を持っているからこそ、中国の介護が日進月歩で変貌している原動力になっているのでしょう。

最後に、参加者の一人が、日本語と中国語を併用して、完璧に講座の内容をまとめてくださいました。こうした成果が形になる、なんと素晴らしいことか、企画者冥利に尽きます。本当にありがとうございました。

 

2021年はあっという間に過ぎましたが、皆様のご支援により、「日中介護ビジネス交流プラットフォーム」の今年最後のイベントもなんとか無事に開催することができました。本当にありがとうございました。来年も引き続き、良い企画をしていきますように頑張ります。宜しくお願い申し上げます。


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