中国・清華大学の学生ら訪日・交流
先週、訪日中の中国・清華大学の学生たち一行16名と、日本の介護や日中の高齢者事業の比較などについて、交流しました。
当方より、日本の高齢社会の現状や介護保険、介護サービスの理念、最新の取り組みなど、約1時間の講義を行いました。その後、質疑応答の時間となり、学生たちから次々と質問されました。
沢山の質問の中から、いくつか紹介したいと思います。
「日本の介護保険は給付範囲が大きいですね。さらに高齢者サービスが細分化されていると思います。専門家からみて、今後中国は日本を見本にして同じ制度を作ると思われますか?」
「日本の政治は高齢者の政策に手厚い印象です。それに対して、日本の若者はどう思われていますか?日本の一部の若者がお金を高齢者に吸い取られて、高齢者には恨みを持っていて、世代間に分断を生じていると聞いたことがあります。実態はどうでしょうか?」
「認知症に関して、日本は何か良い薬がありますか、あるとしたら、どんな薬がよく使われていますか?」
どれも正鵠を射る質問で、学生の皆さんがすごく優秀であることを肌で感じました。
清華大学は世界で見てもトップクラスの大学で、中国国内の進学率はわずか0.72%と言われている超難関校です。今回、来日したのは、生命科学学院の皆さんです。 1926年に設立された生物学科に始まり、生物学、細胞生物学、遺伝学、神経生物学、植物生物学、分子医学等、生物・医学分野の教育・研究が行われています。
今回介護関連の交流は、たくさんのプログラムの中の一つとなっています。
中国の少子高齢化が急速に進んでいる中で、介護保険を含めて中国政府が近年さまざまな取り組みをしています。日本のことを学びながら、反面教師とする部分もあります。将来的に設立する中国版の介護保険は、おそらく日本のように給付範囲を広くせず、細く長く続けられるような制度となると思います。
近年、中国の経済が低迷している中、若者の失業率が高止まりのままとなっています。一方、高齢者が年金で楽に生活している面があります。高齢者を手厚く扱う問題は、日本と同じようでもあります。国の将来を担う若者をもっと大事にしなければならないと思います。
中国のトップレベルの大学生たちと交流ができて、いろいろ考えさせられました。とても良い機会となりました。