中国初の介護保険来年上海で誕生
高齢者住宅新聞 連載第54回(2016年6月)「中国初の介護保険来年上海で誕生」
今月、上海で開催された中国最大級の国際福祉機器展「China Aid 2016」においてこれまで長く囁かれた中国の介護保険はついに来年、上海市の施政範囲で誕生、実施されると発表されました。
これは上海市独自で立案したもので、開始時期は2017年1月1日からです。まず上海の徐匯区など三つの区で試験的に実施し、そのうち軌道修正したりして、全上海市に広げていく予定。また財源については、とりあえず当分は現有の医療保険から捻出します。日本のように40歳から納めるのとは違います。
昨年から、ちょこちょこ、こちらに 、上海市の関係者から電話やメールで日本の介護保険のこと細かいところを聞きに、連絡が入ります。その都度、私で即答できることもあれば、日本の専門家に確認してから返答することもありました。何となく介護保険の誕生の日が近づいてきたと感じていました。
上海市は、日本の介護保険制度の仕組みをかなり参考にしていますが、国や上海市の実情に合わして、異なっている部分が多いです。中国は地域格差、貧富の差が大きいため、国全体で統一しての実施はかなりのハードルとなります。ただ、上海が先頭に立ったら、北京や他の主要都市もハイスピードで追随するでしょう。
来年、上海での実施状況から目を離せないのであります。
*中国の65歳以上の人口率は10.47%に対し、上海市は65歳以上の人口は283万人で、戸籍人口の19.6%、高齢者人口率全国で一番です。