「上海・大連介護事情視察ツアー2016」報告会(総括)
今年夏に実施した「上海・大連の福祉事情視察ツアー」の報告会が、先日、参加者一同で行われました。(写真は、報告会の様子です)
今年6月10日~14日、4泊5日の「上海・大連介護事情視察ツアー2016」を実施しました。
毎年恒例の中国介護福祉事情の視察ツアーは、「高齢者住宅新聞社」のご協力で、もう5年間と続いており、中国を含むアジアの中国語圏の福祉関係の視察ツアーの中で、リピーターが多い、鉄板の存在となってきました。それはひとえに皆様のご支援、ご協力によるものと、コーディネーターとして、心より感謝いたしております。
「高齢者住宅新聞7月20日号」にツアーレポートを掲載しています。
私からの報告は以下の通りです。
「2016年6月10日~14日 見学・訪問&意見交換の内容」
・上海市で最近増えつつある小規模多機能施設を見学・意見交換
・高級路線のアメリカ外資系施設(開業3年経ったところ、入居率が90%に上昇)を見学・意見交換
・大連市の公立、民間施設を見学・意見交換
・大連市政府の外郭福祉団体を表敬訪問・意見交換
・大都会の上海市と地方都市の大連市、それぞれの特徴を見比べることで、ビジネスとしての可能性を見出す
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- 上海では、住宅地に密着の小規模多機能施設が今後も増えていく見込み、ショートステイ、デイを兼ねて、柔軟性を持つ。
- 上海で見学した高級路線のアメリカ系との合弁有料老人ホームは約2年を経て満床となってきました。 第二期の施設も完工し、間もなくオープン。引き続き、富裕層をターゲット。料金は、通常の中間層施設より3倍も高いですが、入居率が上がったのは、強力な宣伝がもちろん一翼を担っていましたが、それだけ、富裕層にニーズがあることも明らかです。
- 大連では、公立、民営の施設をそれぞれ1ヶ所つづ、また地元の福祉協会の幹部や、施設の責任者と意見交換の場を得て、かなり胸襟を開いた話で交流を進めました。現状を飾るのではなく、本当のことを教えてくれた地元福祉業界の有力者に敬意を払います。
ツアーを通じて、思ったこと
- 上海は、高齢者人口率が全国でトップであるだけに、介護の政策から現場への実行・実現においても中国のトップランナーである。レベルがどんどん上がっていると感じた。
(6月に上海市範囲内独自の介護保険が、来年から実施されると発表の2週間後、全国の20都市にも 試験的実施と中央政府に指定されていた)
- 大連は、介護の政策の力の入れ具合や介護現場の実態なども都市間格差が生じるていることを実感。10年前の上海で見た施設を彷彿とさせた。地方都市の中では高齢者政策に積極的に取り組む都市で且つ親日の面がある故に興味深かったのですが。
◆地域の格差、経済の格差により、生じた高齢者事業の格差は鮮明となっています。
結論: 1.マーケットとして見る時に、その土地の総合的な要素を考慮しなければいけないこと
2. 実現する都市の経済力を見なければならないこと。
引き続き、来年も視察ツアーを企画しますので、皆様のご参加心よりお待ちいたしています!
(以上)