info@jcwp.net

JCWPからの最新情報

「日中介護交流プラットフォーム・オンラインセミナーVol.5」開催レポート

 

 

今月7日の夜19:00から「(日本初のオンライン)日中介護ビジネス交流プラットフォーム」オンラインセミナーVol.5」(テーマ:『日中認知症ケア最前線〜現場からのレポート〜」』)を開催いたしました。

昨年より、新型コロナウイルスの影響で日本と中国の介護分野の対面交流が中断されています。私ども日中福祉プランニングは、オンラインで交流ができる「日中介護ビジネス交流のプラットフォーム」を設立しました。「介護」というキーワードで、最新の医療・介護の福祉政策、介護サービス、人材の確保・育成などの情報や動向を相互に触発・補完し合えるコミュニティを提供し、日中が共有するさまざまな課題をテーマとして取り上げています。

昨年は4回にわたり、日中介護交流のオンラインセミナーを皆様のご協力で開催いたしました。たくさんのご参加、そして高いご評価をいただいたため、今年も継続することといたします。

今回は、本年最初の開催となり、日中共同で行いました。私ども「日中福祉プランニング」と中国側の「阿沐養老」となります。(「阿沐養老」は、高齢者問題や介護を専門とするネットメディアであり、政策や国内外の最新情報などをいち早く発信、同類の介護分野のメディアにおいて最大の影響力を持つ)。

当日は、参加者が予想より大幅に増え、当初予定していた100名(日本と中国からの合計)を大きく超えたため、急遽もっと大人数のZoomアカウント設定をやり直して、何とか続行ができました。そのため、一時パニック状態となり、対応に追われた一幕がありました。

幸い、皆様のご理解とご協力を得て、その後、順調にセミナーが進行しました。日中両国の3名のゲストにより、日中両言語の通訳付きで、最新の認知症ケアの政策と取り組みを両国の関係者に向かって発信ができました。今回は、中国からの参加者も多かったため、最後の質疑応答の時間に、日本のゲストに質問が集中しました。講演中も、最後の質疑応答のときも、時空を超えて遠く彼方にいる人達と熱い想いを共有し、まるでリアル会場にいるかのように熱い空間となりました。オンラインでも、こんなに熱くなるのか?という不思議な現象が起こっていました。結局、21:30までの予定だったセミナーは、23:00に近くなっていました。

セミナーはなかなか終わる気配がありませんでした。普通は、このようなオンラインのイベントが後半になると、人がどんどん退室していきますが、今回は殆どの方が残っていました。それぐらい、皆さんが一体になって、のめり込んでいました。

セミナーは、下記のように進みました。

↓  冒頭、オープニングリマークスとして、悠翔会の理事長佐々木先生により、日本の認知症ケアの30年間の歩みについてお話をいただきました。

↓ 顧春玲(上海尽美長者服務中心創始者)

 その後、中国側のゲスト顧春玲さん(上海尽美長者服務中心創始者)は上海での社区(コミュニティ)を中心に、認知症の早期発見・早期介入や認知症高齢者家庭への支援などの地域の認知症ケアの取り組みについてプレゼンしていただきました。その印象として、日本が30年かけて歩んできた道を、上海は、ここ2〜3年で一気に駆け上がってこられてきたようです。現在、上海では、「認知症に優しいコミュニティの建設」が着々と進められていて、また、日本の「認知症カフェ」と「注文を間違えるレストラン」を一体化した認知症本人や家族、地域の住民が利用する「カフェ」なども試みがなされています。

 続いて「あおいけあ」の加藤さんより、「あおいけあ流の介護」というタイトルで、「常識」や「固定概念」を覆した「介護」を紹介していただきました。ここでセミナーのクライマックスを迎えました。その後、上述のように、中国サイドからの質問が絶えませんでした。彼らの介護に抱いた「イメージ」が大きく塗替えられたに違いありません。

改めて、少子高齢化が進んでいる中国は、介護の在り方や認知症ケアなどに対する関心の高さを再認識することがでました。

「少子高齢化」という日中共通の課題として、認知症は避けて通れない問題です。中国の統計では、全国の認知症人口は1000万人を超えています。認知症に関しての研究や実践などが始まったばかりですが、近年では、行政も民間も認知症への関心が非常に高くなっています。これは、今回のセミナーではっきり証明されました。認知症に限らず、また、国の制度や習慣が違っても、尊厳のある人生を最期まで送りたい、これは日中の共通の課題です。介護の技術よりも、「介護の文化」と「介護の哲学」、こういった理念的な部分を両国で、今後さらに議論し、交流していくことが有意義だと考えます。

今回のセミナーで発見したのが、ITが発達し、情報の収集が簡単にできる今日であっても、人との対面の交流や声を聴くことがかけがえのないことでありました。中国側の主催者が、「コロナで、一年以上も日本に行けず、見学もできないため、日本の介護の最新動向や情報に飢えている状況である」とお話されました。

セミナーの後、中国の参加者からたくさんのメッセージが来ております。

「素晴らしいイベントでした!本当に聞きほれました…」

「昨日は本当に勉強になりました、楽しかったです!次回はいつやりますか?」

「3人のゲストの先生が本当に素晴らしい!本人たちにお会いしたいです!」

「中国もそのうち、あおいけあのように、壁のない施設が出てくるでしょう、期待します!」

そして、日本の参加者からも励ましのお言葉をいただきました。

「日中介護ビジネスのセミナーに参加させていただきありがとうございました。大変勉強になりました。今後も日中の介護につきまして、情報交換、意見交換の場が多くでき、参加させていただけたらと考えております。どうぞよろしくお願いいたします」ーー橋本財団ソシエタス総合研究所・井上登紀子

これからも、皆様のご協力で、微力ながら日中の介護分野での交流を続けてまいりたいと存じます。そして、皆様のご参加、お待ちしております。

 

 

 


Leave a Reply

CAPTCHA