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「日中スイス介護実践対話フォーラム in上海」を企画し開催されました

今月10日、中国上海市で「日中スイス介護実践対話フォーラム」が盛大に行われた。
日中共催のフォーラムは今年で三回目だが、
日本側の企画として、その前にいつも不安な気持ちで本番を臨んた。

中国でもっとも成功している民間介護事業グループ紅日(昨年NHKの特集でも報道された)の主催で、
当社が日本側の企画、そして共催となりました。

フォーラムは下記のプログラムで進行された。

午前は、日本から三名の介護業界の方に登壇していただいた。

(株式会社あおいけあ 代表取締役社長 加藤忠相)↓

(認知症当事者 丹野智文)↓

(未来kaigoをつくるカフェ 代表 高瀬比左子)↓

あおいケアの加藤忠相さん、認知症当事者の丹野智文さん、未来kaigoをつくるカフェの主宰高瀬比左子さん。日本ではとても著名な方々で、今日、中国デビューを果たしていただいた。講演中、会場から幾度も大きな拍手が起こり、みんな一体となって感動した。大きな共感を得た様子は400人の会場から熱く伝わってきた。

「良い介護とは何?」、「認知症の人の自由を奪わないでください」、「多職種間の対話の大切さをカフェ活動を通じて介護職が社会参加に繋がる」など、これまで中国では一度も触れていなかった内容を参加者にとって大変新鮮だった。フォーラムの司会の方が「日本からは我々がまだまだ学ぶことが沢山ある」と語った。

介護保険とは関係なしで、人と人のつながり、介護はまさに「文化であり、哲学である」という理念はこのフォーラムの真髄となる。

午後の部は、主催者紅日養老グループの6名のスタッフにより発表された。彼女たちは、生まれてから初めてこのような大勢の人の前でお話されるため、途中、言葉が詰まり、涙が流された。彼女たちは全部農村からの出稼ぎ、そのうちの一人は小学校3年の時に中退した、字を読めない。それでも「紅日」に入って介護度の高い入居者部屋に配置され、一から介護を学んだという。最初は家族から怒られたり、入居者さんから唾を吐かれたりしていたが、そのうち心で接して心通われるようになった。今では入居者さんが彼女のことを自分の子供のようにかわいがっているという。

介護は技術ではない、心です!
介護の本質は、命に対しての理解、死に対しての理解
生の質、死の質の問題と関係する
介護は人と人の繋ぎ
小学校3年卒でも構わない
高齢者が笑顔になったら、これでいい
・・・・・
フォーラムは、このようなメッセージが残された。
主催者の代表が次のように括った。
「現場第一線のスタッフの皆さん、あたなが居なければ、企業が成り立たない、
だから、あなたたちが、会社の宝物である」。

現在、中国各地で開催されている介護関係のシンポジウムは、ほとんどが利益を上げる経営モデルや、投資リターンなどの内容。今回のように、高齢者本位、スタッフ本位は画期的である。そして、日本からの発信は間違いなく大きく響いた、SNSですごい勢いで拡散されている。

(フォーラムの開催に合わせて「上海医療・介護視察ツアー」に参加された日本の医療介護業界の皆様)↓

今回のフォーラムに合わせて、日本の医療や介護業界から30名の参加者も出席された。その中の一人、連続3年間上海で開催された日中共同のフォーラムに参加された。

(医療社団法人悠翔会 理事長 佐々木淳)↓

以下、医療社団法人悠翔会の理事長佐々木淳様のフォーラムのリポートをぜひご一読ください。

「高齢者介護事業は単なるビジネスではない。それは文化であり、哲学だ。」
上海市社会福祉センター所長・上海市上海福祉事業協会会長の徐后華氏は、フォーラムのキーノートスピーチでこう発言された。

彼は昨日、上海市政府民政局で意見交換させていただいた上海側メンバーの一人。
丹野さんに対し「当事者として発言される勇敢さに敬意を表する」とおっしゃった方だ。
昨日の意見交換が、彼のスピーチに影響を与えたのかどうかはわからないが、昨年までとは違う空気を感じた。

加藤さんに続いて登壇した丹野さんは、当事者として、発症から確定診断、そして診断後の不安と絶望感を共有してくれた。

「不治の恐ろしい病」になってしまったという恐怖、そして「なにもできない人」「助けが必要な人」とレッテルを貼られ、生活や人生を奪われていく感覚。抗認知症薬についても、患者の立場でリアリティのある治療体験を教えてくれた。

認知症の人に本当に必要なのは「パートナー」。

今日を境に、認知症の当事者も参画し、一緒に認知症の人にも優しい社会を一緒に作っていきましょう!

私も認知症ですが、認知症の仲間を支えていきたいと思っている。皆さんも是非、人ごとではなく、自分ごととして、一緒に取り組んでほしい」
丹野さんの呼びかけに、会場は大きな拍手に包まれた。

このフォーラムの参加者たちは、行政や大手事業者など、社会に影響力のある人たち。
実際、2年前のこのフォーラムをきっかけに、上海での「失智症(痴呆症)」という呼称が「認知症」に変わった。

昨年はケアニンの上映とVR認知症による当事者体験を通じて、BPSDをどう理解すべきかを一緒に考えた。そして今年、ケアニンの加藤さん、そして当事者の丹野さん、両面から認知症ケアに対するフィロソフィを発信した。

「介護事業は単なるビジネスではない。それは文化であり、哲学だ。」
キーマンがこう発言したことの意味は大きいし、日本チームはその思考に応えることができたと思う。そして、中国のケアは、これから質的にも大きく成長していくのだと思う。

超高齢化で先行する日本。そして圧倒的な高齢者の絶対数を有する中国。制度などの違いはあるが、それぞれのフィールドでたくさんの試行錯誤を重ねること、そしてその成果を共有することの意味は大きい。

そして、日本と中国をつなぎ、このような影響力のある学び合いの場を定期開催している王さんの企画力と実行力は本当に素晴らしいと思う。

僕も三年連続で上海でのフォーラムと視察に参加させていただき、中国のケアの急速な進化を目の当たりにしてきた。その中から、日本では知ることが難しい新しい視点や思想、そして日本よりも進んでいる領域が多く存在することに気づくことができた。それは自分の専門職としてのあり方にも、事業運営者としての考え方に影響を与えている。

日本の専門職も、「日本は進んでいるから」という思い込みを捨てて、一度、海外の取り組みを見てみることをお勧めしたい。

 

 

 

 


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